夫や父親が叙勲を受けることになった。おめでたいことのはずなのに、「自分は何を着ればいいのか」という疑問で頭がいっぱいになっている方は少なくないはずです。
叙勲式は日常からかけ離れた格式の高い場です。しかも、付き添いの女性向けに「これを着てください」と明示してくれる案内はほとんどなく、自分で判断しなければなりません。和装か洋装か、黒留袖はどうなのか、フォーマルドレスで大丈夫なのか——調べれば調べるほど迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、叙勲式に付き添いとして出席する女性の服装について、式の種類ごとの基本ルールから、和装・洋装それぞれの選び方、そしてレンタルを賢く活用する方法まで、順を追って解説します。
目次
- まず知っておきたい「叙勲式の種類」と服装の関係
- 付き添い女性の服装、基本は「色留袖」か「フォーマルドレス」
- 「黒留袖」はなぜNGなのか
- 和装(色留袖)を選ぶ場合のポイント
- 洋装(フォーマルドレス)を選ぶ場合のポイント
- 祝賀会・記念パーティーは少し自由度が上がる
- レンタルを活用するのが賢い選択
- まとめ
1.まず知っておきたい「叙勲式の種類」と服装の関係

叙勲式といっても実はいくつかの種類があり、その種類によって求められる服装の格式がかなり異なります。
| 式の種類 | 概要 | 女性付き添いの服装目安 |
| 親授式(皇居) | 天皇陛下から直接授与される最高位の式 | ローブデコルテまたはローブモンタント(着物不可) |
| 伝達式(各省庁) | 大臣等から授与。最も一般的なケース | 色留袖またはロングアフタヌーンドレス |
| 祝賀会・記念パーティー | 伝達式後に開かれる祝いの席 | 色留袖・訪問着・フォーマルドレスなど比較的自由 |
多くの方が経験する「伝達式」では、女性はロングアフタヌーンドレスか色留袖が望ましいとされています。受章者あてに届く通知書にドレスコードが明記されている場合は、まずそちらを確認することが大前提です。
2.付き添い女性の服装、基本は「色留袖」か「フォーマルドレス」

伝達式への付き添いで最もよく選ばれているのが、色留袖です。実際に参内した方の記録でも「同伴者のほとんどが色留袖だった」というほど定番の選択です。華やかで格調があり、祝いの場にふさわしい装いとして広く認められています。
洋装であればロングアフタヌーンドレスが基本です。近年は女性のドレスコードの幅が広くなっており、セミアフタヌーンドレスなどのフォーマルドレスでの出席者も増加傾向にあります。どちらを選ぶかは、着慣れているかどうか・会場の雰囲気・季節なども考慮しながら決めるとよいでしょう。
3.「黒留袖」はなぜNGなのか

服装を調べていると「黒留袖は避けた方がいい」という情報に行き当たる方も多いと思います。これには明確な理由があります。
黒留袖は結婚式など慶事の第一礼装として広く知られています。しかし皇室では黒色は「喪」に使用する色であり、黒い着物は避けるという習わしがあります。叙勲式は皇居での行事と関係が深い式典であるため、この慣習に従って黒留袖・黒い着物は避けるのが無難とされています。
せっかくの晴れの場ですから、華やかで品のある装いで臨みましょう。
4.和装(色留袖)を選ぶ場合のポイント

| チェックポイント | 内容 |
| 紋の数 | 五つ紋が最も格が高い。三つ紋でも伝達式には対応できる場合が多い |
| 色 | 薄い色が一般的。黒・紫は避けるのが無難 |
| 柄 | 裾に吉祥文様など格調のある柄が適している |
| 帯 | 錦織・唐織など金銀を配した格調の高い袋帯を合わせる |
| 帯小物 | 帯揚げ・帯締めは白または白地に金銀。末広(祝い扇)も忘れずに |
| 草履・バッグ | 佐賀錦や上品なエナメルなど礼装用のセットで |
長時間にわたる式典のため、着崩れの心配がないようプロの着付け師にお願いするのがおすすめです。
5.洋装(フォーマルドレス)を選ぶ場合のポイント

| チェックポイント | 内容 |
| 丈 | ミモレ丈(ふくらはぎ)以上が基本。ロング丈はより格式が高い |
| 袖 | 袖ありが望ましい。ノースリーブの場合はジャケットを羽織る |
| 胸元 | 大きく開いたデザインは避ける |
| 色 | 黒・紺・グレー・ベージュなど落ち着いたトーン |
| 素材 | シルクやウール等の上質な素材感があるものが好ましい |
| 靴 | 低めのヒールのパンプス。エナメル素材は避ける |
| アクセサリー | パールのネックレス・イヤリングなど控えめで上品な輝きのもの |
| バッグ | 小ぶりでシンプルなフォーマルバッグ |
6.祝賀会・記念パーティーは少し自由度が上がる

伝達式の後に開かれる祝賀会やお祝いの食事会では、服装の自由度が少し上がります。色留袖・訪問着・フォーマルドレスのいずれでも対応できる場合がほとんどです。
ただし「少し自由」といっても、あくまでフォーマルな場であることに変わりはありません。カジュアルすぎる装いや派手すぎるデザインは場の雰囲気を損ねます。受章者を支える立場として、品のある装いを心がけましょう。
7.レンタルを活用するのが賢い選択

叙勲式への出席は、多くの方にとって一度きりの経験です。そのために色留袖やフォーマルドレスを購入するのは、費用の面でも保管の面でも負担が大きいと感じる方も少なくありません。そんなときこそ、レンタルの活用が賢い選択です。
また、ご主人(受章者)のモーニングコートもあわせてレンタルで揃えることができます。当日の衣装をまとめて準備できれば、式典前の慌ただしさを大幅に減らすことができます。
当店では叙勲式にふさわしいフォーマルドレス・モーニングコートレンタルを取り扱っています。いずれも宅配でのご試着・レンタルに対応しており、フォーマルスペシャリストゴールドライセンスを持つスタッフがコーディネートのご相談から当日のサポートまで対応します。
8.まとめ

| 確認事項 | ポイント |
| 式の種類 | 親授式・伝達式・祝賀会で求められる格式が異なる |
| 基本の選択肢 | 色留袖またはロングアフタヌーンドレス |
| 避けるべき服装 | 黒留袖・黒い着物(皇室の慣習による) |
| まず確認すること | 受章者あての通知書に記載されたドレスコード |
| 賢い準備方法 | 購入よりレンタルが費用・保管の両面でスマート |
人生に何度もない晴れの場だからこそ、装いにも丁寧に向き合いたいもの。受章者を支える立場として、品格ある一着でその日を迎えてください。
執筆者
大谷真司 イデアス株式会社代表取締役。
タキシードレンタルドットコムの最高責任者。
大阪市淀川区にて40年以上にわたり礼服の製造・開発に取り組んできた実績を受け継ぐ企業。
すべての縫製工程は日本国内で行われており、車椅子用のユニバーサルデザインモーニングコートや脚長効果のあるヒールアップシューズのレンタルサービスも展開。
結婚式や各種式典で使用されるフォーマルな衣装を、品質に強いこだわりを持ち提供。
1990年 大阪の総合結婚式場において洋装部の責任者としてキャリアを開始。
1995年 全日本冠婚葬祭互助協会の2級冠婚士資格を取得。
1996年 法人向け貸衣装部の責任者に就任。
2006年 独立。宅配レンタル専門の「タキシードレンタルドットコム」を創業。
2016年 日本フォーマル協会のフォーマルスペシャリストゴールドライセンスを取得。






























