結婚式に出席する日の朝、礼服に袖を通したところで「この腕時計は着けていっていいのだろうか」「靴下は黒なら何でもいいのか」「ネクタイピンやベストは必要?」と、細かいところで手が止まった経験はないでしょうか。
男性の結婚式の服装マナーは、スーツや礼服そのものより、むしろ小物で差がつきます。上着やネクタイは整っていても、座ったときに見える靴下や、乾杯のときに目に入る腕時計が場に合っていないと、全体の印象まで崩れてしまうからです。
この記事では、結婚式の服装マナーのうち、男性が迷いやすい小物(腕時計・靴下・靴・ネクタイとネクタイピン・ベスト・ラペルピンやポケットチーフ)について、基本の考え方と選び方を順にまとめます。
1.結婚式の服装マナーは「小物」で差がつく

男性の結婚式の服装は、礼服(ブラックスーツ)やディレクターズスーツ、新郎新婦の父親ならモーニングコートといったように、まず立場に合った衣装を選ぶところから始まります。ゲスト・親族それぞれの装いの全体像は、結婚式の親族の服装の記事でまとめています。
そのうえで大切になるのが、小物の合わせ方です。小物の結婚式の服装マナーには、ひとつの共通した考え方があります。それは、「主役より目立たず、お祝いの席らしく、清潔に」ということです。迷ったときはこの3つに照らして考えると、大きく外すことはありません。
まずは、小物ごとの基本を早見表で確認しておきましょう。
| 小物 | おすすめ | 避けたいもの |
|---|---|---|
| 腕時計 | 着けないか、薄型で革ベルトのシンプルなもの | 大ぶりのスポーツ時計、派手な色や装飾 |
| 靴下 | 黒無地で、座っても素肌が見えない長さ | 白・柄物・くるぶし丈 |
| 靴 | 黒の内羽根式ストレートチップ(タキシードならエナメルも) | 茶色、ローファー、スエード |
| ネクタイ | 白・シルバーグレーの無地 | 黒無地、動物柄 |
| ネクタイピン | 付けるならシルバーやパールの控えめなもの | 大きな飾り付き、ゴールドの派手なもの |
| ポケットチーフ | 白の麻やシルク | 黒、柄の主張が強いもの |
2.腕時計は「着けない」か「控えめに」

意外と迷う人が多いのが腕時計です。もともと格式の高い正礼装の場では、腕時計を着けないのが正式だとされてきました。お祝いの席で時間を気にするそぶりを見せるのは、「早く帰りたい」という印象につながりかねないからです。
とはいえ、現在の結婚式では、ゲストが腕時計を着けていても失礼とまでは言われないことが多いでしょう。着けるなら、文字盤がシンプルで薄型の、黒や茶の革ベルトのものを選び、シャツの袖口に収まるようにしておくのが無難です。
ダイバーズウォッチのような大ぶりの時計や、スマートウォッチの通知音・光は、式の最中に目立ちやすいものです。新郎新婦の父親など正礼装で出席する方は、外しておく方が安心です。
3.靴下と靴は「黒」と「素肌を見せない」が基本

次に、足元です。結婚式の靴下は、黒無地を選ぶのが基本です。白い靴下はカジュアルな印象になり、礼服の黒との差も目立ちます。
さらに気をつけたいのが丈の長さです。式場では椅子に座る時間が長く、脚を組んだり座ったりしたときに、短い靴下だとすねの素肌が見えてしまいます。ふくらはぎまで隠れる長めの靴下を選んでおきましょう。なお、モーニングコートを着る場合は、白黒の縞柄の靴下を合わせる装いもあります。
靴は、黒の内羽根式ストレートチップが、ブラックスーツにもモーニングコートにも合う定番です。タキシードの場合は、光沢のあるエナメルの靴も選ばれます。立場ごとの靴の選び方は結婚式の革靴レンタルの記事や結婚式の靴の基本をまとめた記事で、靴を買うか借りるかは靴のレンタルと購入を比べた記事で詳しく解説しています。
4.ネクタイの色とネクタイピンのマナー

披露宴でのネクタイの色は、白やシルバーグレーの無地が定番です。光沢のある生地を選ぶと、お祝いの席らしい華やかさが出ます。一方、黒無地のネクタイは弔事を連想させるため、結婚式では避けましょう。ネクタイの種類や結び方はネクタイの種類と結び方の記事が参考になります。
では、ネクタイピンは必要なのでしょうか。結論から言うと、結婚式でネクタイピンは必須ではありません。付けなくてもマナー違反にはならないので、手持ちがなければ無理に用意する必要はないでしょう。
付ける場合は、シルバーやパールなど控えめなデザインを選び、シャツの第3〜第4ボタンのあたりに水平に留めるのが一般的です。カフスボタンを使うなら、色や素材をそろえるとまとまりが出ます。
ベストを着る場合、ネクタイはベストの中に収まるので、ネクタイピンは外から見えません。ベストを着るならネクタイピンはなくてもよいと考えて大丈夫です。
5.ベストはいらない?着る・着ないの判断
「結婚式でベストはいらないのでは」と迷う方もいるでしょう。ブラックスーツで出席するゲストや親族なら、ベストを着なくてもマナー違反にはならないことがほとんどです。
ただし、ベストを合わせたスリーピースは、より改まった印象になります。親族として写真に並ぶ方や、もう少しきちんと見せたい方は、ベスト付きの装いを選ぶのもよいでしょう。
一方、モーニングコートやディレクターズスーツは、ベストを着ることが前提の装いです。モーニングのベストの着方はモーニングコートの着用方法の記事で紹介しています。
6.ラペルピン・ポケットチーフ・カフスの選び方
ラペルピンは、上着の左の襟(ラペル)に付ける小さな飾りです。付けるなら、小ぶりで落ち着いた色のものを選びましょう。新郎は胸元にブートニアと呼ばれる花飾りを付けることが多いので、ゲストが大きな花モチーフのピンを付けると、主役と重なって見えることがあります。
ポケットチーフは、白の麻やシルクが基本です。挿すだけで胸元がぐっと華やかになるので、ゲストにも親族にもおすすめの小物です。折り方はポケットチーフの折り方の記事で紹介しています。
なお、ラペルピン・ネクタイピン・カフスなど、光る小物をいくつも重ねると、かえって落ち着きのない印象になります。光る小物は2点程度までを目安に、全体の色をシルバー系か白系にそろえるとまとまります。
7.小物までそろうレンタルなら結婚式の服装マナーも安心

ここまで見てきたように、男性の結婚式の服装マナーは、小物ひとつひとつに決まりがあります。手持ちを一から確認して買いそろえるのは、意外と手間がかかるものです。
そこで便利なのが、小物まで含めて衣装を借りられるレンタルです。タキシードレンタルドットコムのダブル略礼服(G-505)は、上着・パンツにネクタイと三つ折りハンカチがセットになっています。また、新郎新婦の父親向けの定番のモーニングコート(G-503)は、ネクタイ・手袋・三つ折りポケットチーフ・サスペンダーがセットに含まれています。いずれも、シャツと靴はオプションです。(2026年10月時点。最新の内容は商品ページでご確認ください)
ダブル略礼服(G-505)のレンタルはこちら
ディレクターズスーツ(G-502)のレンタルはこちら
父親のモーニングコートのレンタルはこちら
8.よくある質問

Q. 結婚式に腕時計をしていくのはマナー違反ですか?
A. ゲストであれば、マナー違反とまでは言われないことが多いでしょう。ただし、正式には着けないのが礼儀とされる場もあるため、着けるなら薄型で革ベルトのシンプルなものにし、式の最中に時間を確認するしぐさは控えましょう。
Q. 結婚式の靴下は紺やグレーでもいいですか?
A. 黒無地がもっとも無難です。礼服の黒と色がそろい、足元が引き締まります。濃紺やチャコールグレーのダークスーツで出席する場合でも、靴下は黒を選んでおくと安心です。
Q. ネクタイピンとラペルピンは両方付けてもいいですか?
A. 付けても問題はありませんが、光る小物が増えすぎないよう、色をそろえて控えめにまとめましょう。迷ったら、どちらか一方だけにするとすっきり見えます。
9.まとめ

結婚式の服装マナーは、小物に表れます。腕時計は外すか控えめに、靴下は黒無地の長め、靴は黒のストレートチップ、ネクタイは白やシルバー、ネクタイピンやベストは必須ではない、というのが基本の考え方です。
迷ったときは「主役より目立たず、お祝いの席らしく、清潔に」。この3つに照らせば、どの小物も大きく外すことはありません。
小物まで一から買いそろえるのが大変なら、ネクタイやチーフがセットになったレンタルの礼服を活用するのも手です。立場に合った一着と小物をそろえて、当日を落ち着いた気持ちで迎えましょう。
執筆者
大谷真司 イデアス株式会社代表取締役。
タキシードレンタルドットコムの最高責任者。
大阪市淀川区にて40年以上にわたり礼服の製造・開発に取り組んできた実績を受け継ぐ企業。
すべての縫製工程は日本国内で行われており、車椅子用のユニバーサルデザインモーニングコートや脚長効果のあるヒールアップシューズのレンタルサービスも展開。
結婚式や各種式典で使用されるフォーマルな衣装を、品質に強いこだわりを持ち提供。
1990年 大阪の総合結婚式場において洋装部の責任者としてキャリアを開始。
1995年 全日本冠婚葬祭互助協会の2級冠婚士資格を取得。
1996年 法人向け貸衣装部の責任者に就任。
2006年 独立。宅配レンタル専門の「タキシードレンタルドットコム」を創業。
2016年 日本フォーマル協会のフォーマルスペシャリストゴールドライセンスを取得。

















