モーニング、タキシード、フロックコート色々あるけど違いは?

タキシード

今回は男性のフォーマルウェアの見分け方をご紹介します。
モーニングコートやタキシード、フロックコート。
似た装いに見えますが、着用時間やデザインにも違いがいくつかあるので、
ぜひ参考にしてみてください。

デザインによる違い

違いがわかりにくいフォーマルウェアは、上着に注目すると見分けやすいです。
モーニングコート:丈の前が短く、後ろが長い。また、前から後ろにかけてカーブ形でカットされている。
フロックコート:上着丈が前も後ろも全体的に長い
タキシード:ビジネススーツのようなジャケット型
となっています。
また、燕尾服(テールコート)では、丈の前が短く、後ろが長く、ツバメの尾のような形をしています。

着用時間による違い

フォーマルウェアは、時間によっても使い分けをします。
午前〜日没:フロックコート、モーニングコート
日没〜夜:タキシード、燕尾服(テールコート)
例外もありますが、このように着用するのが一般的です。

フォーマルウェアの成り立ち

フロックコート

フロックコートの起源は、16世紀まで遡ると言われています。
当時のイギリスでは、農作業をする際などに着用される「フロック」と呼ばれる衣服がありました。
それを上質な素材で仕立てたものが、18世紀頃から浸透し「フロックコート」と呼ばれるようになります。
前後の丈も同じ長さでスクエア型をしており、後のモーニングやタキシードの前身にもなったとされています。
なお、現在フロックコートはフォーマルウェアとしてはあまり着用されておりません。

モーニング

モーニングコートが浸透し始めたのは、19世紀です。
イギリス貴族では、朝に乗馬をする習慣がありました。
当時着られていたのは、先ほどご紹介したフロックコート。
上着前の丈が長く、乗馬時に不便を感じることも多かったそうです。
そのため、フロックコート前面の丈を大幅にカットした「モーニングコート」が生まれました。
朝から昼にかけて着用されることが多かったため、この名前になったのです。

タキシード

タキシードの起源は、アメリカとヨーロッパによって異なるとされています。
アメリカでは、1886年にニューヨークで開かれた社交パーティが起源のようです。
「タキシード・クラブ」と称されたそのパーティで、主催者は燕尾服の裾をカットしたジャケットを着用して出席しました。
このファッションが話題となり、「タキシード」としてアメリカでは広まったそうです。

一方ヨーロッパでは、1870年代に生まれた「ラ・スモーキング・ジャケット」が起源とされています。
部屋で喫煙をしながらくつろげるように作られたジャケットで、
現在のタキシードのような丈の形です。
貴族を中心に流行していましたが、当時のイギリス皇太子が着用したことで、多くの人に親しまれるようになりました。
ディナーに出席する際に愛用されていたため、タキシードはヨーロッパでは基本的に夜間に着用するものとされています。

まとめ

今回は、モーニングコート、フロックコート、タキシードの見分け方をご紹介しました。
それぞれの特徴をまとめると、以下のようになります。

モーニングコート:日中の正礼装。丈は、前が短く、後ろが長い。
フロックコート:日中の正礼装。前後の丈が似た長さ。
タキシード:夜間の準礼装(正礼装とされることもあります)。ビジネススーツのような丈タイプ。

一見、似た印象のフォーマルウェアですが、様々な違いがあります。
日本では時間に関係なく、用途に応じて着分ける習慣が強い傾向にあります。
主催者側のドレスコードを確認して、着用シーンに応じた最適な装いで出かけたいですね。