新郎父の挨拶の例文|披露宴の謝辞の構成と話し方のコツ

新郎の父親とマイク

披露宴の終わりに、両家を代表して招待客へお礼を述べる新郎父の挨拶。「謝辞」とも呼ばれるこの挨拶を任されて、何をどの順番で話せばよいのか、どのくらいの長さにすればよいのかと、頭を悩ませているお父様も多いのではないでしょうか。

人前で話すことに慣れている方でも、息子の結婚式となると、普段とは違う緊張があるものです。しかし、新郎父の挨拶には決まった流れがあり、その型に沿って言葉を選べば、気持ちのこもった謝辞を無理なくまとめられます。

この記事では、披露宴での新郎父の挨拶の役割と基本の構成、そのまま使える例文、避けたい言葉、話し方のコツ、そして当日の装いまで、順を追って解説します。

1.新郎父の挨拶(謝辞)とは

慶事用式辞用紙と多当紙

新郎父の挨拶は、披露宴の結びに、両家を代表して招待客へ感謝を伝えるスピーチです。新郎新婦からの花束贈呈などのあとに行われることが多く、宴をしめくくる大切な役割を担っています。

一般的には、新郎の父親が両家の代表として謝辞を述べ、続いて新郎本人があいさつをする流れがよく見られます。ただし、最近は新郎のあいさつだけで結ぶ披露宴や、新婦の父親が謝辞を述べる披露宴もあります。誰が話すかは、両家と新郎新婦で事前に話し合って決めておきましょう。

新郎父の挨拶は「新郎の父親として」ではなく、「両家の代表として」話すのが基本です。新郎側だけの話にならないよう、新婦側のご家族への気配りも言葉に込めましょう。

2.披露宴の謝辞の基本構成

新郎父の挨拶は、次の5つの要素で組み立てると、自然な流れになります。

順番内容話すことの例
1. 名乗りとお礼自己紹介と、出席へのお礼「新郎の父の〇〇でございます」「本日はご多用のところ…」
2. 来賓への感謝祝辞・余興・お祝いの言葉へのお礼「温かいお言葉と励ましをいただき…」
3. 二人への思い新郎新婦の人柄や、親としての気持ち子ども時代の思い出、新婦への感謝
4. 今後のお願い若い二人への変わらぬ支援のお願い「今後とも温かいご指導を…」
5. 結びの言葉お詫びと、来賓の健康・幸せを願う言葉「行き届かない点も多々あったかと…」

この中で、もっとも自分らしさを出せるのが「3. 二人への思い」です。とはいえ、ここを長くしすぎると、全体が間延びしてしまいます。エピソードは1つに絞るのがコツです。

3.新郎父の挨拶の例文

新郎新婦と両親

ここからは、そのまま使える例文を2つ紹介します。名前や思い出の部分を、ご自身の言葉に置き換えてお使いください。

基本の例文(2分程度)

「ただいまご紹介にあずかりました、新郎の父の〇〇でございます。両家を代表いたしまして、ひと言ごあいさつを申し上げます。本日はご多用のところ、二人の結婚披露宴にお運びいただき、誠にありがとうございました。また、先ほどから身に余るお祝いの言葉や、心のこもった励ましの言葉を頂戴し、親として胸がいっぱいでございます。

〇〇(新郎)は、小さい頃から人の話をよく聞く、穏やかな子でした。その〇〇が、〇〇さん(新婦)という明るく芯の強い伴侶を得て、今日こうして皆さまの前に立っている姿を見て、ようやく一人前になったのだと感じております。

とはいえ、二人ともまだ若く、未熟なところもございます。これからも、どうか変わらぬご指導とご鞭撻を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。本日は、行き届かない点も多々あったかと存じますが、何卒ご容赦ください。最後になりましたが、皆さまのご健康とご多幸をお祈りいたしまして、お礼のごあいさつとさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。」

新婦のご家族への思いを込めた例文(1分程度)

「新郎の父の〇〇でございます。両家を代表し、ひと言お礼を申し上げます。本日は、二人のためにお集まりいただき、本当にありがとうございました。〇〇さんのご両親さまには、大切に育ててこられたお嬢さまを私どもの家族に迎えさせていただき、心から感謝しております。これからは両家で力を合わせ、二人を見守ってまいります。皆さまにも、今後とも温かいお力添えをいただけますよう、よろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。」

4.謝辞で避けたい忌み言葉・重ね言葉

NG

結婚式のスピーチでは、別れや繰り返しを連想させる言葉を避けるのがマナーとされています。何気なく使いがちな言葉も多いので、原稿ができたら一度見直しておきましょう。

種類避けたい言葉の例言い換えの例
別れを連想させる言葉終わる、切れる、離れる、別れるお開きにする、結びとする
繰り返しを連想させる重ね言葉重ね重ね、たびたび、いろいろ、ますます加えて、よく、さまざま、一層
不幸を連想させる言葉苦しい、失う、壊れる、去るつらいときも、手放さず、など前向きな表現に

「最後に」は使っても差し支えないとされますが、気になる場合は「結びに」と言い換えると安心です。また、仕事上の苦労話や、新郎の昔の失敗談を長く話すのは避けましょう。

5.新郎父の挨拶の話し方のコツと準備

新郎父の挨拶は、2〜3分程度にまとめるのが目安です。原稿にすると、ゆっくり読んで600〜800字ほどが目安です。宴の終わりで招待客の集中も途切れがちなので、短めでも気持ちが伝われば十分です。

当日は、原稿やメモを見ながら話しても失礼にはあたりません。むしろ、言葉に詰まって長い沈黙ができるより、手元のメモを確認しながら落ち着いて話す方が、聞く側も安心できます。話すときは、会場の後方の席まで届くように、普段より少しゆっくりを意識しましょう。

また、事前に新郎新婦と話す内容をすり合わせておくことも大切です。新郎のあいさつと内容が重ならないようにでき、新婦側のご家族の呼び方なども確認できます。

6.挨拶に立つ新郎父の装い

モーニングコートの襟元のアップ

謝辞を述べるとき、新郎父は会場中の視線を集めます。だからこそ、装いも整えておきたいところです。

新郎新婦の父親は、両家の代表として招待客をお迎えする立場なので、正礼装のモーニングコートを着るのが一般的です。モーニングコートは最も格式の高い正礼装で、時間帯を問わず着用されます。名前の由来は午前中の礼服というところにありますが、現在の日本では、夕方や夜の披露宴でもモーニングのまま通すことが多いでしょう。両家で格をそろえることも大切なので、相手のお父様と事前に相談しておくと安心です。父親の服装の選び方は、結婚式の父親の服装の記事で詳しく解説しています。

タキシードレンタルドットコムの定番のモーニングコート(G-503)は、上着・ベスト・パンツに、ネクタイ・手袋・三つ折りポケットチーフ・サスペンダーがセットになっており、ウイングカラーシャツと靴はオプションで借りられます。試着は基本無料(1泊2日)で、使用後はクリーニングに出さずに返送できます。(2026年10月時点。最新の内容は商品ページでご確認ください)

7.よくある質問

Q&A

Q. 新郎父の挨拶は、原稿を読んでもいいですか?

A. はい、問題ありません。大切なのは感謝の気持ちが伝わることです。ときどき顔を上げて会場を見渡しながら読むと、気持ちがより伝わります。

Q. 新郎父の挨拶と新郎の謝辞、両方必要ですか?

A. 決まりはありません。両方行う披露宴もあれば、どちらか一方だけの披露宴もあります。新郎新婦と相談し、両方話す場合は内容が重ならないように分担しましょう。

Q. 新郎父の挨拶でユーモアを入れてもいいですか?

A. 場が和むような軽いひと言なら、よいアクセントになります。ただし、新郎新婦や来賓が恥ずかしい思いをする内容や、身内にしか分からない話は避けましょう。

8.まとめ

まとめ

披露宴での新郎父の挨拶は、両家を代表して招待客へ感謝を伝える、宴の締めくくりです。「名乗りとお礼」「来賓への感謝」「二人への思い」「今後のお願い」「結びの言葉」の順に組み立て、2〜3分にまとめれば、無理なく気持ちのこもった謝辞になります。

新郎父の挨拶で大切なのは、上手に話すことより、感謝の気持ちを自分の言葉で伝えることです。メモを手元に置いて、落ち着いて臨みましょう。

そして、挨拶に立つ姿を整えるのが、正礼装のモーニングコートです。サイズの合った一着を事前に試着して、晴れの日の謝辞を堂々と迎えてください。

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執筆者

大谷真司 イデアス株式会社代表取締役。

タキシードレンタルドットコムの最高責任者。

大阪市淀川区にて40年以上にわたり礼服の製造・開発に取り組んできた実績を受け継ぐ企業。
すべての縫製工程は日本国内で行われており、車椅子用のユニバーサルデザインモーニングコートや脚長効果のあるヒールアップシューズのレンタルサービスも展開。
結婚式や各種式典で使用されるフォーマルな衣装を、品質に強いこだわりを持ち提供。

1990年 大阪の総合結婚式場において洋装部の責任者としてキャリアを開始。
1995年 全日本冠婚葬祭互助協会の2級冠婚士資格を取得。
1996年 法人向け貸衣装部の責任者に就任。
2006年 独立。宅配レンタル専門の「タキシードレンタルドットコム」を創業。
2016年 日本フォーマル協会のフォーマルスペシャリストゴールドライセンスを取得。