フォーマルとは?正礼装・準礼装・略礼装の違いと男女別の服装

正装の男性と女性

招待状や式典の案内に「フォーマルな服装で」「平服で」と書かれていると、何を着ればよいのか迷うものです。そもそもフォーマルとは何を指すのか、改めて聞かれると説明に困る方も多いのではないでしょうか。

フォーマルとは、ひとことで言えば「正式な場にふさわしい、格式のある服装」のことです。そして同じフォーマルの中にも、正礼装・準礼装・略礼装という3つの格があり、場面や立場によって選ぶべき装いが変わります。

この記事では、フォーマルの意味とカジュアルとの違い、3つの格の違い、男女それぞれの服装とシーン別の選び方を順に解説します。

1.フォーマルとは?意味と服装での使われ方

モーニングコートを着た男性

フォーマル(formal)は、英語で「正式な」「形式にのっとった」という意味の言葉です。服装でフォーマルと言うときは、冠婚葬祭や式典など、改まった場で着る礼服を指すのが一般的です。

日本語では「礼服」「礼装」「正装」などとも呼ばれます。大切なのは、フォーマルが単に「きちんとして見える服」ではなく、場の格式に合わせて決まった型がある服装だという点です。だからこそ、まずは「格」の考え方を押さえるのが近道です。

2.フォーマルとはどこまで?カジュアルとの違い

はてなマーク

フォーマルの反対にあるのが、カジュアル(日常着・普段着)です。とはいえ、服装は「フォーマルかカジュアルか」の二択ではなく、その間にいくつかの段階があります。招待状や案内状にあるドレスコードも、この段階のどこにあたるかを示しているのです。

フォーマルからカジュアルまでの服装の段階と、正礼装・準礼装・略礼装の位置づけを示した図
段階おおよその意味主な場面
フォーマル正礼装。最も格式が高い結婚式の主催者側・叙勲・格式の高い式典
セミフォーマル準礼装。正礼装の次の格結婚式の親族・ゲスト、改まったパーティー
インフォーマル略礼装。礼服の中では最も気軽結婚式のゲスト、「平服で」と案内された会
スマートカジュアルきちんとした普段着レストランでの食事会、カジュアルなパーティー
カジュアル日常着普段の生活

ここで注意したいのが、インフォーマルは「カジュアル」という意味ではないということです。日本のドレスコードでは、インフォーマルは略礼装を指し、あくまで礼服の一種です。同じように、案内状の「平服でお越しください」も普段着でよいという意味ではなく、略礼装程度の装いを求めていると考えるのが一般的です。

「平服で」「カジュアルな会です」と書かれていても、結婚式や式典ではジーンズやスニーカーなどの普段着は避けるのが無難です。迷ったら、略礼装を最低ラインにすると失敗しにくくなります。

3.フォーマルの3つの格:正礼装・準礼装・略礼装の違い

フォーマルな服装は、格の高い順に正礼装・準礼装・略礼装の3つに分けられます。どの格を着るかは、場の格式と自分の立場で決まります。基本の考え方は、主催者や主役に近い立場ほど格の高い装いにし、ゲストは主催者より格を上げない、というものです。

正礼装・準礼装・略礼装それぞれの男性と女性の代表的な服装をまとめた図

正礼装は、結婚式なら両家の父親・母親、式典なら受章者など、その場の中心にいる人の装いです。準礼装は親族やゲストなど幅広い場面で使え、略礼装は「平服で」と案内された会やゲストの装いとして選ばれることが多いでしょう。

格は「上げすぎ」より「下げすぎ」の方が目立ちます。ただし、ゲストが主催者より格上の装いをするのも避けたいところです。主催者側の装いを基準に、自分の立場に合った格を選ぶと考えると迷いにくくなります。

4.男性のフォーマルとは:格ごとの服装

タキシードを着た男性の上半身のアップ

男性のフォーマルは、上着の形で格がはっきり分かれているのが特徴です。まずは格ごとの代表的な服装を表で確認しましょう。

格主な服装ネクタイ・小物の目安
正礼装モーニングコート、燕尾服(テールコート)モーニングはシルバーグレーなどのネクタイ、燕尾服は白の蝶ネクタイ
準礼装ディレクターズスーツ、タキシードディレクターズスーツはシルバーグレーなどのネクタイ、タキシードは黒の蝶ネクタイ
略礼装ブラックスーツ(略礼服)、ダークスーツ慶事は白やシルバーのネクタイ

正礼装のモーニングコートは、最も格式の高い正礼装で、時間帯を問わず着用される礼服です。名前は本来午前中の挙式で着られていたことに由来しますが、現代の日本では挙式から披露宴までモーニングコートで通すことが多く、夜の披露宴でも問題なく着られます。

同じく正礼装の燕尾服は、ホワイトタイ、スワローテイルコートとも呼ばれ、白の蝶ネクタイを合わせるのが決まりです。もともとは夜の最上級の礼装とされてきましたが、現代の日本では昼間の式典や演奏会などで着ることも一般的です。

準礼装のディレクターズスーツは、黒の上着に縞のズボンを合わせた、モーニングコートより一段控えめな礼服です。タキシードはブラックタイやディナージャケットとも呼ばれ、黒の蝶ネクタイを合わせます。日本では新郎の衣装やパーティーの装いとして広く着られています。

なお、燕尾服とモーニングコートの違いは燕尾服の記事で、燕尾服・タキシード・ディレクターズスーツの見分け方は礼服の違いを比べた記事で詳しく解説しています。

5.女性のフォーマルとは:洋装と和装

色留袖を着た女性

女性のフォーマルは、洋装と和装のどちらにも格があります。洋装は丈や露出、素材で格が変わり、昼と夜で装いを分ける考え方もあります。和装は着物の種類と紋の数で格が決まるのが一般的です。

格洋装の例和装の例
正礼装アフタヌーンドレス(昼)、イブニングドレス(夜)黒留袖、五つ紋の色留袖
準礼装セミアフタヌーンドレス、カクテルドレス三つ紋・一つ紋の色留袖、訪問着
略礼装ワンピース、アンサンブル、スーツ付け下げ、色無地

結婚式で新郎新婦の母親が着るのは、和装なら黒留袖、洋装ならフォーマルドレスが一般的です。姉妹や叔母などの親族は、色留袖や訪問着、落ち着いた色のフォーマルドレスを選ぶことが多いでしょう。親族の立場ごとの装いは、結婚式の親族の服装の記事でまとめています。

ゲストとして出席する場合は、準礼装から略礼装のドレスやワンピースが中心になります。白は花嫁の色なので避ける、肩や胸元を出しすぎない、といった基本のマナーは結婚式のドレスのマナーの記事で詳しく解説しています。

黒留袖は結婚式で着る既婚女性の正礼装で、喪服とは別のものです。ただし、叙勲式では黒い着物を避けるのが一般的なので、場面によって使い分けが必要です。

6.シーン別:フォーマルはどの格を選べばいい?

はてな

代表的なシーンに当てはめると、次のようになります。同じ場面でも、立場によって選ぶ格が変わります。

シーン立場選びたい格
結婚式新郎新婦の父親・母親正礼装
結婚式兄弟姉妹・叔父叔母などの親族準礼装〜略礼装
結婚式友人・同僚などのゲスト準礼装〜略礼装
叙勲式・褒章受章者・同伴者正礼装
卒業式・入学式校長先生など式を主催する側正礼装〜準礼装
「平服で」と案内された会参加者略礼装

結婚式では、両家の父親が同じ格の装いをそろえることも大切です。父親の服装は結婚式の父親の服装の記事で、叙勲式の服装は叙勲の服装の記事で詳しく紹介しています。

7.フォーマルな服装はレンタルで用意できる

スマホとレンタルの吹き出し

正礼装や準礼装の礼服は、着る回数が限られています。そのため、購入よりレンタルの方が手軽なことも多いでしょう。今の体型に合うサイズを選べて、クリーニングや保管の手間もかかりません。

タキシードレンタルドットコムでは、男性のモーニングコート・燕尾服・ディレクターズスーツ・タキシード・ブラックスーツに加え、女性のフォーマルドレスや留袖も宅配でレンタルしています。自宅で事前に試着できる衣装もあります(2026年10月時点。条件は各商品ページでご確認ください)。

8.よくある質問

FAQ

Q. 「平服でお越しください」と言われたら、何を着ればいいですか?

A. 平服は普段着ではなく、略礼装程度の装いを指すのが一般的です。男性ならブラックスーツやダークスーツ、女性ならきちんとしたワンピースやアンサンブルを選ぶと安心です。

Q. フォーマルとセミフォーマルの違いは何ですか?

A. フォーマルは正礼装、セミフォーマルは一段控えめな準礼装を指すことが多いです。男性なら、モーニングコートが正礼装、ディレクターズスーツが準礼装にあたります。

Q. 黒いスーツなら、フォーマルな服装になりますか?

A. 礼服のブラックスーツは略礼装にあたりますが、ビジネス用の黒いスーツは礼服とは別物です。結婚式などでは、色の深い礼服のブラックスーツを選びましょう。

9.まとめ

まとめ

フォーマルとは、正式な場にふさわしい格式のある服装のことです。フォーマルな服装には正礼装・準礼装・略礼装の3つの格があり、場の格式と自分の立場に合わせて選ぶのが基本です。

男性なら、正礼装はモーニングコートと燕尾服、準礼装はディレクターズスーツとタキシード、略礼装はブラックスーツ。女性なら、正礼装は黒留袖やフォーマルドレス、準礼装は色留袖や訪問着が目安です。迷ったら主催者側の装いを基準に、格を合わせましょう。

フォーマルな服装が必要になったら、ぜひタキシードレンタルドットコムの衣装をご覧ください。

執筆者

大谷真司 イデアス株式会社代表取締役。

タキシードレンタルドットコムの最高責任者。

大阪市淀川区にて40年以上にわたり礼服の製造・開発に取り組んできた実績を受け継ぐ企業。
すべての縫製工程は日本国内で行われており、車椅子用のユニバーサルデザインモーニングコートや脚長効果のあるヒールアップシューズのレンタルサービスも展開。
結婚式や各種式典で使用されるフォーマルな衣装を、品質に強いこだわりを持ち提供。

1990年 大阪の総合結婚式場において洋装部の責任者としてキャリアを開始。
1995年 全日本冠婚葬祭互助協会の2級冠婚士資格を取得。
1996年 法人向け貸衣装部の責任者に就任。
2006年 独立。宅配レンタル専門の「タキシードレンタルドットコム」を創業。
2016年 日本フォーマル協会のフォーマルスペシャリストゴールドライセンスを取得。